Journal of Pesticide Science
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ビアラホス処理ヒエ茎葉のゲルタミン合成酵素阻害および遊離アミノ酸量の変動
ビアラホスの作用機構 (第1報)
橘 邦隆渡辺 哲郎関沢 泰治竹松 哲夫
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1986 年 11 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

食用ビエ茎葉部から抽出したグルタミン合成酵素 (GS) に対して, ビアラホスは0.3~3mMの範囲では阻害作用を示さなかったが, インタクトの植物に散布処理した場合, 顕著なGS活性の阻害が認められた. 一方, ビアラホスの代謝物のL-AMPBはそれらの両方でGS活性を阻害した. したがってビアラホスは植物体内で代謝され, L-AMPBになってGSを阻害したと考えられる. ビアラホスを散布処理した食用ビエ茎葉の遊離アミノ酸量を測定したところ, 15種中12種で増加が認められた. 一方, 処理後24~48時間でグルタミンの顕著な減少が認められた. グルタミンの減少が殺草作用の原因であることが考えられたので, ビアラホスをグルタミンとともに散布処理したところ, ビアラホス単独に比べて体内グルタミン量は増加したが, 殺草作用の強さは変化しなかった. したがって, グルタミンの減少は殺草作用の第一義的な要因ではないと考えられる.

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