Journal of Pesticide Science
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トウモロコシ茎基部分裂組織切片における脂質代謝に対する (R)-(+)- および (S)-(-)-quizalofop-ethylの影響
除草剤 quizalofop-ethyl の作用機構 (第2報)
中平 国光内山 正昭猪飼 隆五十嵐 丕鈴木 宏一
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1988 年 13 巻 2 号 p. 269-276

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抄録

葉面からの吸収・移行処理をしたトウモロコシ幼植物の stem-base (節間分裂組織を含む) 切片を供試し脂質代謝に及ぼす quizalofop-ethyl の影響を検討した. 鏡像異性体 (R)-(+) 体は, stem-base 切片における脂質への14C酢酸の取り込みを阻害したが, (S)-(-) 体は阻害しなかった. (R) 体は, TLC分析によって脂肪酸および燐脂質の質的変動を惹起していることが明らかとなった. また, HPLC分析の結果, 長鎖脂肪酸, とくに, パルミチン酸およびリノール酸の de novo 生合成が強く阻害されていることが認められた. これらの結果は, 脂質代謝, とりわけ脂質生合成の阻害反応が, quizalofop-ethyl の第一次作用点と密接に係わっていることを示唆した.

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