Journal of Pesticide Science
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フェンバレレート抵抗性コナガにおける交差抵抗性と共力作用
Virapong NOPPUN宮田 正斎藤 哲夫
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1989 年 14 巻 2 号 p. 203-209

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抄録

フェンバレレートで淘汰したコナガ2系統 (KAR84-FR, OKR84-FR) はフェンバレレート (ラセミ体) に500倍以上の抵抗性を示し, フェンバレレートA体 (S-異性体) やB体 (R-異性体) にも同様な抵抗性を示した. KAR84-FR系統はフェントエート, プロチオフォス, サイアノフォス, それにメソミルに弱い交差抵抗性を示した. OKR84-FR系統はこれら殺虫剤には非常に弱い交差抵抗性を示した. フェンバレレート抵抗性の両系統はアセフェートとジクロルボスには少し耐性を示したが, カルタップには交差抵抗性を示さなかった. 両抵抗性系統に対しピペロニルブトキシド (PB) とトリフェニルフォスフェート (TPP) はフェンバレレートA体と高い共力作用を示し, 共力作用系数は17以上であった. TPPとフェンバレレートA体との共力作用はLD50値では感受性系統 (KAR84, OKR84) で抵抗性系統より高かったが, LD95値では抵抗性系統のほうが感受性系統より高かった. 一方, セサミン, セサモール, エピセサミンやS-421とフェンバレレートA体との共力作用はKAR84-FR系統では低かったが, OKR84-FR系統では高かった.

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