Journal of Pesticide Science
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芳香族ケトンピリミジニルヒドラゾン類の殺菌活性
殺菌性ピリミジルヒドラゾン類の研究 (第2報)
小西 和雄倉賀野 隆
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1989 年 14 巻 2 号 p. 211-221

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抄録

前報のランダム・スクリーニングによるリード化合物の発見を端緒とする2-ピリミジニルヒドラゾン系化合物の合成研究において, 殺菌活性発現に関する構造活性相関についての考察から分子内ヒドラゾン結合周辺に立体的な込み合いが必要であろうと推論した. この推論に基づいて, カルボニル化合物部分を2, 6-ジ置換芳香族アルデヒドから, 2′-置換芳香族ケトン類へ変換したところ, 殺菌活性にきわめて顕著な向上がみられ, 実用化可能なレベルに達した. 合成した一連の化合物群の中から種々の要件を考慮して, (Z)-2′-methylacetophenone 4, 6-dimethyl-2-pyrimidinylhydrazone [ferimzone, 申請中の一般名] を新農業用殺菌剤の候補化合物として選定することができた. 本化合物は稲の主要病害であるいもち病, ごま葉枯病や紋枯病などに対して治療的に有効である.

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© 日本農薬学会
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