Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
プロパニルのツユクサ表皮層透過に及ぼす界面活性剤の影響
重川 弘宜中山 裕人近内 誠登
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 14 巻 3 号 p. 301-306

詳細
抄録

ツユクサの表皮層のプロパニル透過を液/膜/液系で調べた. プロパニルの透過は直線的に増加した. 初期透過速度 (a0)―界面活性剤無添加区―は6.7-442pmol/mm2/hrと使用したツユクサ表皮層により変化した. 透過に及ぼす界面活性剤の添加効果 (n) は非イオン系界面活性剤で高く, 陰イオン, 陽イオン活性剤で低かった. 非イオン界面活性剤 (POE(n=10) ノニルフェニルエーテル) の濃度と添加効果は100ppmで高く, 1000ppmでは低かった. 初期透過量と界面活性剤の添加後の透過量 (a) の間には高い相関性が認められ, loga=1.176+0.5282loga0, r2=0.978, 添加効果 (n) との関係は logn=1.176-0.4718loga0で示された. このことは液/膜/液系でのプロパニルの透過は孔透過を主とする場合には界面活性剤の添加効果が低く, 孔透過が制限されて膜透過が優先する条件では界面活性剤の添加効果が高いことを示す結果と推察された.

著者関連情報
© 日本農薬学会
前の記事 次の記事
feedback
Top