Journal of Pesticide Science
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湛水土壌中におけるジフェニルエーテル系除草剤 Chlornitrofen (CNP) のニトロ基の還元機構
小山田 正美鍬塚 昭三
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1989 年 14 巻 3 号 p. 321-327

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抄録

プレインキュベーション前に殺菌した湛水土壌中では, CNPの分解は著しく抑制されたが, 土壌微生物によりFe2+が生成したプレインキュベーションの後に殺菌した湛水土壌中においては, CNPは還元されアミノ誘導体が生成した. CNPのニトロ基は, 常温, 土壌のpHの範囲でMn2+塩溶液中で還元されなかったが, Fe2+塩によって還元され, アミノ誘導体が生成した. 湛水土壌中において, CNPのニトロ基の還元は, 土壌のEhの低下およびFe2+含量の増加によって促進され, その分解率と土壌のEhおよびFe2+含量との間に正の相関関係が認められた. 以上から, 湛水土壌中におけるニトロ基の還元は, 主として微生物活動によって生成されるFe2+で化学的に還元されるものと結論された.

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