抄録
2-アミノ-4-メチル-6-トリクロロメチル-s-トリアジンとニトラピリンの Nitrosomonas europaea ATCC 25978株とN. sp. TK 794株の亜硝酸生成能と生育, および Nitrobacter agilis ATCC 14123株の亜硝酸酸化能に対する作用について検討した. 両薬剤は1および10μg/mlで, 両 Nitrosomonas の亜硝酸生成能と生育を強く阻害したが, N. agilis ATCC 14123株の亜硝酸酸化能を全く阻害しなかった. 以上のことから, Nitrosomonas はこれらの薬剤の標的細菌の一つであり, その硝酸化成抑制作用はアンモニア酸化能を有する菌の生育に対する直接作用の結果であることが示唆された. また, N. sp. TK 794株は両薬剤に対する感受性が N. europaea ATCC 25978株より高かった.