Journal of Pesticide Science
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Chlorothalonil の付着量の免疫学的分析による静電式常温煙霧法の評価
高橋 義行林 明子和田 豊梅津 透生江 洋一
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1996 年 21 巻 4 号 p. 441-443

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抄録

静電式常温 (EF) 煙霧の評価ために, 100m2の施設内にスライドガラスを葉の代替として設置し, chlorothalonil (TPN), の下 (裏) 面への付着率を上 (表) 面対比で調べた結果, TPN粒子を検鏡して付着指数で調査した場合は53%, イムノアッセイ (IA) 法で検定した場合は57%であった. さらに200m2の二つのキュウリ栽培施設内にスライドガラスを設置して, TPNのEF煙霧と常温 (NH) 煙霧を行ない, TPNの付着量をIA法で分析測定した結果, スライドガラスの下 (裏) 面における上 (表) 面に対する付着率はEF煙霧で37.5%でありNH煙霧 (1.5%) よりも多量の付着が認められたが, キュウリ葉の裏面付着率はそれぞれ2%と2.3%で, EF煙霧による付着量の増加は認められなかった. 一方, 葉裏に生息するアブラムシおよび葉柄の毛耳への付着量を両煙霧法で比較した結果, EF煙霧による付着量はそれぞれNH煙霧の3.7倍および4.6倍であり, このアブラムシ等への付着量の増加は静電式が殺虫剤の防除効果の向上に寄与する可能性を示唆している.

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