Journal of Pesticide Science
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1,4-ベンゾジオキサン環をもつN-置換-2-ピペリドン類のヒエ種子発芽に対する阻害活性
塚田 英孝山田 直隆橋本 和樹谷口 栄二桑野 栄一
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2001 年 26 巻 2 号 p. 143-148

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抄録

種々の3-置換-2-ピペリドン類とその関連化合物について, 白ヒエ種子の発芽に対する阻害活性を検討した. 2-ピペリドンの3位へ1,4-ベンゾジオキサン環を導入することにより, 無置換フェニル化合物に比べて著しい活性の増加が認められた. 供試化合物中, 3-[1-(1,4-ベンゾジオキサン-6-イル)-1-ヒドロキシメチル]-N-シンナミル-2-ピペリドン (55) が最も高い活性を示し, 1nMで種子の発芽を90%以上阻害した. エリスロ-55のみが活性を示し, スレオ体は1μMでも活性は認められなかった. この結果は, 水酸基の存在と1,4-ベンゾジオキサン部位の立体化学が活性発現に重要であることを示唆した. エリスロ-55の水稲種子に対する発芽阻害活性はヒエの場合と比べて1/10であり, 選択性を示した.

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© 日本農薬学会
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