Journal of Pesticide Science
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CNPおよびそのアミノ体のイネ体における吸収, 移行, 代謝
下鳥 均鍬塚 昭三
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1978 年 3 巻 3 号 p. 267-275

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抄録

ジフェニルエーテル系除草剤CNPおよびその土壌中における主生成物であるアミノ体 (CNP-NH2) のイネ体における吸収, 移行, 代謝について, ベンゼン環標識14C化合物を用い, 室内実験により研究した. 両化合物とも水耕液から速やかに根に吸収されるが, 地上部への移行はきわめて少なく, とくにアミノ体はほとんど移行しなかった. 土壌からの吸収は水耕液からの吸収よりもはるかに少なかった. イネ体内におけるCNPの代謝はきわめて遅いが, CNP-NH2は速やかに代謝された. CNPの主代謝物として3種類の化合物が検出され, そのうちの2種類をCNPのニトロ基がホルミルアミノ基および水酸基に変換された化合物と同定した. そのほかにCNP-NH2およびその N-glucoside も検出された. 水耕液からイネ体内に吸収されたCNP-NH2は速やかに減少し, 2種類の主生成物のほかに多数の代謝物が検出された.

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© 日本農薬学会
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