Journal of Pesticide Science
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イネ白葉枯病防除剤テクロフサラムの温室実験による効力評価
中神 和人田中 治一石田 三雄惟村 光宣本田 建夫山崎 俊治
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1980 年 5 巻 2 号 p. 237-242

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抄録
新規なイネ白葉枯病防除剤テクロフサラム [N-(2,3-dichlorophenyl)-3,4,5,6-teterachlorophthalamic acid] の効果を, 種々の接種方法によって, 既知の薬剤と比較検討した. テクロフサラムは in vitro でイネ白葉枯病菌 Xanthomonas oryzae の増殖をまったく阻害しなかった. 土壌処理では, 平方メートル当たり有効成分0.3gあるいは0.6gの薬量で, 若干遅効性であったが, 病斑の発生および進展を抑制した. 茎葉散布処理では, 接種葉の病斑形成をほとんど抑制しなかった. 病斑の進展抑制効果の評価は接種方法によって著しく異なり, 針接種では400ppm液の散布でも乏しい効果であったが, 噴霧接種によって発病させた病斑の進展は, 100ppm液の散布で顕著に抑制された. 2, 3の植物に対する生理活性を, 茎葉散布および土壌灌注処理によって調べた結果, テクロフサラムはまったく活性を示さなかった.
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© 日本農薬学会
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