抄録
目的 身体活動量の増加,健康的な食生活,適切な飲酒,禁煙や減煙,口腔衛生,ストレス対処(休養)の 6 種類の生活習慣の改善を目的として,1 か月間の通信による最小限の行動変容技法を用いた介入を行い,6 か月後まで追跡することでその効果を検討した。
方法 募集は案内パンフレット(6 種類の習慣行動の案内,参加申込用紙,参加記念品の写真などで構成)の配布で行った。応募者435人(男性255人 平均年齢46.6歳,女性180人 平均年齢34.4歳)は,6 種類の習慣行動からひとつを自由に選び,習慣行動のセルフチェック,3 つ以内の習慣改善目標行動の設定をして申し込んだ。次ぎに記録シートと選んだ習慣行動の教育教材を受け取り,1 か月間毎日,目標行動の実行の有無を自己評価しセルフモニタリングした。指導者は 2 週間後に励ましの手紙を送り,終了時には,参加者が提出した記録シートに基づきコメントを添え,希望の記念品と一緒に送付した。
成績の評価指標としては,課題のコンプライアンスとして記録シートの提出率と目標行動の達成率を算出し,習慣行動の変化は同一質問紙で測定された,終了時と 6 か月後の行動変化を用いた。
結果 結果は,7.8%の応募率,80%の目標達成率という高いコンプライアンスが得られた。習慣行動の変化は,合計28項目中18項目の具体的な行動に有意な改善がみられた。たとえば,歩行,階段の利用,野菜の摂取,食べる速さ,飲酒頻度,外での飲酒頻度,1 日の喫煙本数,肺まで吸い込むこと,歯磨きの頻度,歯ぐきを磨く頻度,睡眠時間,ゆっくりした入浴頻度などが改善していた。さらに 6 か月後に,得られた272人(回収率62.5%)のデータで比較した結果,17項目の具体的な行動に改善がみられていた。
結語 最小限の介入であっても,準備性のある人にとっては行動変容のプロンプトとして有効で,費用効果の高い,公衆衛生領域に有用な習慣改善法であると思われた。