抄録
目的 社会生活を営んでいる幅広い年齢層の一般成人において,加速度計による 1 日のエネルギー消費量測定値の妥当性を検討する。
方法 27歳~61歳の N 市職員60人(男31人,女29人)を対象に,任意に設定した平日と休日の各 1 日に加速度計の装着,および 5 分ごとの活動日誌の記載を依頼した。日誌に記録されたそれぞれの活動の強度と持続時間から算出された 1 日のエネルギー消費量により,加速度計から得られた 1 日のエネルギー消費量を評価した。
結果 のべ115日中,109日で加速度計による消費量の方が日誌法による消費量にくらべて少なく,その差は平均403.9 kcal であった。加速度計と日誌法から求めた 1 日のエネルギー消費量の間には強い相関(Pearson r=0.846)が認められた。歩く活動が少ない場合は多い場合に比較し,より強い正の相関が観察された。加速度計を装着できない入浴中のエネルギー消費量を日誌法による測定値から引いて検討を行ったところ,両者の差は小さくなったが,相関係数には大きな変化を認めなかった。
結論 加速度計を用いた身体活動量の測定は,日誌法によるそれと高い相関を示すことが一般成人においても確認された。加速度計は日誌法と比較すると 1 日のエネルギー消費量を少なく評価する傾向があるが,対象者の負担も少なく,かつ多数の人に同時に実施可能であり,疫学研究や健康増進事業に有用と考えられた。