日本公衆衛生雑誌
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公衆衛生活動報告
歯科医師による喫煙防止教育とその有効性について
小田 正秀大角 直行中林 邦子宮城 昌治森本 進坂木 慎司有馬 隆今田 愛子遠藤 邦彦土江 健也森本 克廣小松 昭紀
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2002 年 49 巻 7 号 p. 694-705

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抄録

目的 高校生の喫煙の実態を把握するとともに,歯科医師による喫煙防止教育の効果を検討することを目的とした。
方法 広島市内の某男子校の高校生1,003名を対象とした。歯科医師による喫煙防止教育講演の前後に無記名による自記式アンケート調査を行った。また,歯科医師による歯科健康診査を別途行った。
成績 喫煙経験者率,喫煙者率ともに,高学年ほど高い値を示した。
 クラブ活動をしていない群では学年が上がると喫煙者率が増加した。
 喫煙が及ぼす健康影響についての知識では,肺がんが最も多く,歯周病がそれに次いで多かった。
 歯科医師による喫煙防止教育講演前後で行ったアンケート調査成績から,「家族がたばこを吸っているのを見てやめた方がいい」と答えた生徒は講演前の55.9%から講演後の62.2%と6.3ポイントの増加がみられた。
 教育講演で印象に残った内容では,がんの写真,歯への影響の話,バージャー病があげられた。
結論 高校生に喫煙防止教育を行う場合には,がんの写真,バージャー病の写真と歯への影響の話が印象的であると考えられ,歯科医師による教育の必要性が認められた。

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© 2002 日本公衆衛生学会
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