日本公衆衛生雑誌
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公衆衛生活動報告
ケースメソッドを通して「家庭訪問」を批判的に考える 教材「12番目の妊娠」から学ぶ
金城 芳秀
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2005 年 52 巻 1 号 p. 26-33

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抄録
目的 ケースメソッド研修において,公衆衛生看護活動として「家庭訪問」を批判的に考える。
方法 2002年より,“12番目の妊娠”をケースメソッド教材として開発してきた。このケースストリーに含まれていたジレンマは,ある保健師が“夫婦の問題”に介入すべきかどうかであった。2002年 7 月から2003年 2 月までに,2 つの研修でケースティーチングを実施した。最初の研修の参加者は,わが国の保健職者18人(保健師13人,課長職の上司 5 人),2 番目はカンボジアの保健職者 9 人(助産師 8 人,医師 1 人)が対象であった。
結果 両研修の参加者はケースから得られた問題を分析して意思決定を行った。それらの意思決定は有益であり,それぞれ異なる視点となった。わが国の保健師らは他の保健職者と協同で介入することを支持した。一方,カンボジアの助産師らは自ら家族計画を積極的に実施する接近法を選択した。両研修での討議において,この「12番目の妊娠」は以下の 3 点を満足した:(1)参加者はケースの中の情報を用いて問題に取り組んだ;(2)潜在的な解決策を評価するために,参加者は分析的に考えた;および(3)参加者が分析を行う上で十分な情報がケースに含まれていた。
結論 両研修は,介入の道具として「家庭訪問」を批判的に考えることを促し,公衆衛生看護活動に必要な技能を考える上でもよい機会を提供した。
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© 2005 日本公衆衛生学会
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