日本公衆衛生雑誌
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総説
循環器疾患予防における PWV の有用性 内外における文献考察
宇津木 恵西條 泰明岸 玲子
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2005 年 52 巻 2 号 p. 115-127

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抄録
 初期の動脈硬化は,治療や生活習慣の改善により改善することが可能であるが,進行すると循環器疾患を発症し,致命的となるばかりでなく,重篤な後遺症を残す可能性がある。それゆえ,早期に動脈硬化を評価し予防に結びつけることが重要である。初期の段階である内皮/血管機能不全となる前に動脈硬化の兆候を把握するための,簡潔で,非侵襲的な手法の開発が望まれる。
 脈波伝播速度(Pulse wave velocity:PWV)は,動脈の硬化度を測定する非侵襲的ならびに簡便な手法である。先行研究から PWV が動脈硬化程度の測定,ならびに予測因子として有用な指標となりうることが報告されてきた。しかしながら,PWV については一貫した結果が得られておらず,今後の PWV について検討の余地がある。
 本稿は,以下の PWV に関して,3 点について過去の文献考察を行った。
 1. 循環器疾患発症の予測因子としての PWV の価値
 2. PWV と動脈硬化危険因子との関連
 3. brachial-ankle PWV (baPWV)の研究の現状
 その結果,血圧が,PWV と強い関連があるとする報告がほとんどであった。加えて,Body mass index (BMI),空腹時血糖,コレステロールも PWV と有意な関連があると多数の報告で認めていた。しかし,喫煙と PWV の間には関連があるとする報告はなかった。また,多くの報告から,PWV の上昇が疾患発症の予測指標となりうることが示された。しかしながら,近年開発されたより簡便な手法である baPWV を用いて予測因子との関連を報告したものはなかった。それゆえ,今後 baPWV を用いての検討が求められる。
 以上より,PWV を用いることで,動脈硬化性疾患の予測が可能となり,一次予防・二次予防に結びつけることができると考えられる。
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© 2005 日本公衆衛生学会
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