日本公衆衛生雑誌
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地域福祉権利擁護事業における地域の連携実態とその特徴 基幹的社会福祉協議会と介護保険担当課の連携事例から
東野 定律
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2005 年 52 巻 3 号 p. 264-272

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抄録
目的 本研究では,全国の基幹的社会福祉協議会(地域福祉権利擁護事業を地域で具体的に実施していく機関)を対象とし,当該社協が介護保険担当課と連携した結果,地域福祉権利擁護事業の契約に至った事例を収集し,これらの事例のプロフィール,初回相談機関,相談経路,契約に至る経緯について分析することから,これらの収集された事例の特性について明らかにし,地域の関連機関の連携に関する課題をまとめ,それらの問題点を考察することを目的とした。
方法 全国の基幹的社会福祉協議会460機関に調査票を郵送し,これまで当該社協が介護保険担当課と連携し,地域福祉権利擁護事業の利用をした事例について,基幹的社協の専門員等が自由に記述することを依頼した。調査内容は,第 1 に,事例の年齢,性別,要介護度等の属性。第 2 に,連携の実態を把握するために,事例の初回相談までの経緯や市区町村介護保険担当課との連絡をとった最も大きな理由,市区町村介護保険担当課との役割分担の状況,市区町村介護保険担当課との連携上で発生した問題あるいは,これからの課題である。
結果 全国の地域福祉権利擁護事業の実施主体である全国の基幹的社協460機関のうち,118機関から事例を収集することができた。この結果,地域福祉権利擁護事業の利用者の特性は,後期高齢者の割合が高いこと,また,世帯構成については,独居が全体の半数以上を占めていることがわかった。また,これらの利用者は,情報を入手することが困難であることが示された。
 さらに事例の問題の解決にあたって,連携した機関の種類と数を調べた結果,介護保険担当課を代表とする公的機関との連携することが多いこと,連携先は,多岐にわたり,その連携の方法も多様であることがわかった。
 事業を利用する背景には,家族との関係の悪化や他の家族員の抱える問題(精神障害,アルコール中毒,難病等)がある場合も少なくないことがわかった。このため,この事業を推進していくためには,社会福祉領域の専門家や機関との連携だけでなく保健師や保健機関等との連携が必要となると考えられた。
結論 今後,地域福祉権利擁護事業を推進していくためには,利用者を総合的に支援できる情報提供システムを核としたネットワーク作りと協力体制が早急に必要であると考えられる。また,事業の推進には,保健師や保健機関といった保健領域の専門職や専門機関等と社会福祉機関との連携が必要である。
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© 2005 日本公衆衛生学会
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