日本公衆衛生雑誌
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公衆衛生活動報告
予防接種の接種月齢,接種順と接種完了率
加藤 昌弘川戸 美由紀世古 留美橋本 修二岡部 信彦
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2006 年 53 巻 2 号 p. 105-111

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抄録
目的 百日せき・ジフテリア・破傷風混合(三種混合)1 期 1 回,2 回と 3 回,ポリオ 1 回と 2 回,麻しんの 6 種の予防接種について,接種月齢と接種順の状況を示すとともに,標準接種年齢内の接種完了に対する 1 番目の予防接種の接種月齢および接種順の関連性を検討した。
方法 愛知県大府市において,2 歳・4 歳・6 歳児から無作為抽出した900人に対し,予防接種の接種状況を郵送法により調査した。回収者757人の中で,23か月齢末までの 6 つの予防接種状況が得られた721人について,接種月齢と接種順を検討した。
結果 三種混合 1 期 1 回,2 回と 3 回,ポリオ 1 回と 2 回,麻しんの予防接種について,23か月齢末の接種率は77~93%であり,月齢別の接種率のピークは,それぞれ 6, 8, 10, 5, 10, 12か月齢であった。接種順としては,ポリオ 1 回,三種混合 1 期 1 回,2 回と 3 回,ポリオ 2 回,麻しんの順が21%と最も多かった。6 種の予防接種全体の標準接種年齢内接種完了率は37%であり,1 番目の予防接種の接種月齢が遅い児,また,ポリオ 2 回が最後となる接種順の児で低かった。
結論 予防接種の接種月齢と接種順の状況を示した。1 番目の予防接種の接種月齢と接種順が標準接種年齢内の接種完了に関連することが示唆された。
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© 2006 日本公衆衛生学会
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