抄録
目的 専門職が人々に貢献する活動を行うためには,求められる特定の能力を磨くだけでなく,専門職として発展するための姿勢や行動様式を身につける必要がある。本研究の目的は,保健師の専門性発展力尺度(Professional Development Scale for the Public Health Nurse,以下 PDS)を開発し,その信頼性と妥当性を検討することである。
方法 調査対象は無作為に抽出した135の保健所と115の市町村保健センターに常勤する保健師であり,調査方法は郵送による自記式質問紙調査である。PDS 試案は,先行研究より項目収集•精選して作成された。
結果 送付施設数250中184(73.6%)から返送があり,返送施設の対象数1,799人中回答者は1,261人(70.1%),うち有効回答は1,112であった。回答率は全項目96%以上であった。項目分析により23項目中 7 項目を削除した。残った16項目について,因子分析(最尤法•プロマックス回転)を行ったところ,4 因子の最適解を得た。因子は自己要因と考えられる「自己責任の能力開発」,「人に学ぶ能力開発」,職能要因と考えられる「専門性の伝承と発展」,「活動原則の励行」であった。Cronbach's α 係数は,PDS 全体で0.93,因子 1~4 では順に0.89,0.85,0.85,0.77であった。PDS 得点と 2 つの外的変数間には0.7の相関がみられた。
結論 結果より PDS と下位尺度は内的整合性を確保していることが確認された。また PDS は構成概念妥当性と基準関連妥当性を確保していることも確認された。今後 PDS は,保健師自身による学習成果の自己評価や学習目標設定に活用できる。