日本公衆衛生雑誌
Online ISSN : 2187-8986
Print ISSN : 0546-1766
ISSN-L : 0546-1766
原著
常勤・非常勤保健師のマンパワーと標準化死亡比の関連:全国の市町村を対象とした生態学的研究
兒玉 慎平森 隆子稻留 直子米増 直美
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 66 巻 11 号 p. 690-701

詳細
抄録

目的 常勤保健師数と非常勤保健師年間勤務延数を使用して,市町村保健師のマンパワーと市町村ごとの標準化死亡比(SMR, Standardized Mortality Ratio)の関連を明らかにすることを目的とした。

方法 市町村ごとのSMRが公開されている人口1万人以上の1,225市町村を対象とした。対象を保健所設置のタイプで都道府県型と政令市型(政令指定都市・中核市・保健所政令市・特別区)に分け,SMR(全死因,三大疾病による死因)を従属変数,常勤保健師数,非常勤保健師年間勤務延数,その他の保健医療福祉資源を独立変数とした線形混合モデルによる分析を行った。

結果 都道府県型,政令市型の全死因(男性,女性)と,都道府県型の悪性新生物(男性)と心疾患(男性),政令市型の悪性新生物(男性,女性)で,非常勤保健師年間勤務延数が多いほどSMRが低い結果となった。常勤保健師数とSMRの関連はみられなかった。

結論 市町村保健師のマンパワーの増大が,住民の健康的な生活を向上させていることが示唆された。

著者関連情報
© 2019 日本公衆衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top