2020 年 67 巻 9 号 p. 603-608
目的 気象環境の変化によって引き起こされる気象病において,気象環境の変化を把握し,事前の予防行動からリスクを軽減することが重要である。そこで,気象データとレセプトデータを組み合わせて分析を行う「Health Weather」の取り組みを立ち上げ,10歳未満の小児ぜん息を対象として,気象と疾患の関係性について検討した。
方法 10歳未満の小児ぜん息の外来患者数を対象とし,全国を7つのエリアに分けて,気象データ(気温,湿度,気圧,風)を説明変数とするポアソン回帰分析を行った。さらに,ポアソン回帰モデルを用いて,気象の変化から予測される10歳未満の小児ぜん息の外来患者数の変化を表す予測モデルを作成した。
結果 気象データから予測される10歳未満の小児ぜん息患者数と実際の患者数を比較してみると,各エリアにおいて,作成した予測モデルが実測の患者数をほぼ再現できていることが確認された(0.77≦R2≦0.96)。
結論 気象データとレセプトデータを組み合わせた分析から,気象と10歳未満の小児ぜん息患者数の関係性を把握できることが確認された。また,Health Weatherの取り組みが,気象病における気象と疾患の関係性の把握につながる可能性が示唆された。