日本公衆衛生雑誌
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iPhone歩数グラフ画像の提供による身体活動調査の回答者特性:横断研究
森 まりも天笠 志保足立 浩基福島 教照中谷 友樹井上 茂鎌田 真光
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2025 年 72 巻 12 号 p. 942-950

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抄録

目的 近年,身体活動量の客観指標として歩数がスマートフォンでも確認でき,iPhone(Apple Inc.)ではデフォルトで記録されている。このiPhoneヘルスケアアプリの歩数グラフのスクリーンショット画像を用いて,大規模かつ遡及的な身体活動評価が可能となる「歩数読取ツール」が開発された。しかし,こうした歩数画像を収集した場合の調査協力者の特徴は明らかでない。本研究は,インターネット調査におけるiPhone使用者と歩数画像提供者の特徴を明らかにすることを目的とした。

方法 調査会社のパネル集団から20歳以上の神戸市民で2021年に実施されたウェブアンケート「身体活動・健康と地域環境に関する調査」に回答した5,369人を対象に,2022年に追加調査を実施した(2022年12月)。個人属性や歩行時間を質問し,iPhone使用者にはヘルスケアアプリ内の歩数グラフ画像2枚(1か月分と1年分)の送信を依頼した。2022年調査回答者を対象に,「iPhone使用」および「画像提供(iPhone使用者のみ対象)」の関連要因を多変量ロジスティック回帰分析で検討した。

結果 回答者3,308人のうち,画像提供者は349人(11%),iPhoneを使用しているが画像提供がなかった者は1,138人(34%),iPhone非使用者は1,821人(55%)であった。高いiPhone使用率と関連していたのは,65歳未満(調整オッズ比:2.45 [95%信頼区間: 2.04, 2.94] vs 65歳以上),女性(1.47 [1.26, 1.71] vs 男性),世帯年収600万円以上(1.39 [1.20, 1.62] vs 600万円未満),大卒以上の者(1.17 [1.01, 1.36] vs それ以外の者)であった。また,歩数画像の提供率は,65歳未満(3.58 [2.17, 5.90] vs 65歳以上),大卒以上の者(1.71 [1.32, 2.23] vs それ以外の者),総歩行時間が150分/週以上の者(1.66 [1.21, 2.28] vs 150分/週未満)で高かった。

結論 iPhone使用には,年齢,性別,世帯収入,教育歴が,歩数画像提供には,年齢,教育歴,身体活動量が関連していた。インターネット調査でiPhone歩数画像を収集する際は,iPhone使用者・画像提供者が様々な属性に偏った集団である可能性を考慮して解釈する必要がある。

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