日本公衆衛生雑誌
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公衆衛生活動報告
アルコール等依存症者家族の実態把握と支援体制の検討
妹尾 優佳里藤井 秀樹金 弘子桑原 祐樹金城 文尾﨑 米厚
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2026 年 73 巻 2 号 p. 167-175

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抄録

目的 アルコール等依存症者家族の実態把握と必要な支援の検討を行う。

方法 鳥取県西部で活動する依存症者家族の自助グループ会員に対し,2023年7月1日~同年9月10日,無記名自記式質問紙調査を実施した。調査にあたり鳥取県福祉保健部倫理審査委員会の承認を得た。

活動内容 調査票は105部配布し57部回収した(回収率54.3%)。回答者(家族)は57人,回答者(家族)が答えた当事者は59人だった。

調査結果から,家族が相談した時の当事者の特性と状況では,当事者の依存対象は,アルコール25人,ギャンブル17人,その他17人だった。うち,12人(20%)には依存対象が複数重複しているクロスアディクションがあった。アルコール依存症者では,家族が相談に至る以前に20人(61%)が医療機関にかかっており,うち12人(60%)が内科を受診していた。加えて,16人(49%)が健診を受けており,うち10人(63%)が肝機能障害の指摘を受けていた。また,当事者の34人(58%)は経済的に困難な状況だった。

回答者(家族)の特性は,女性48人(84%),男性8人(14%),無回答1人(2%)であり,年齢は50代20人(35%)が最も高い割合だった。回答者(家族)の相談時の状況では,家族が相談に至った理由は,「どうしようもない状態になった41人(72%)」が最も高い割合だった。さらに,相談時の家族の42人(74%)は依存症を病気だと思っていなかった。加えて,家族の32人(56%)が経済的に苦しい状況だった。

家族が今後求める支援では,「相談窓口の周知(75%)」,「相談窓口同士の連携(68%)」が見られた。さらに自由記載で若者を対象とした普及啓発への要望が複数見られた。

アンケート結果を受けて当所では,以下の新たな取組を行った。1)保健所内の様々な担当課や市町村の既存事業と連携することで一次・二次予防の対象者の拡大を進めた。2)地域住民に向けた依存症啓発チラシを作成し,管内市町村の自治会組織への回覧や民生児童委員などの地域の人材を活用した啓発活動を行った。3)医療機関や法律専門家に向けて,依存症者の早期発見を目的に,作成した住民向け啓発チラシの活用を依頼した。

結論 今回の調査を通して,アルコール等依存症者家族の実態を把握することにより,必要とされる支援が抽出され新たな取組に繋がった。

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