日本公衆衛生雑誌
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原著
同一の健康保険組合に属する従業員の勤務形態と生活習慣との関連
池田 有吾, 高杉 友, 尾島 俊之
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2026 年 73 巻 4 号 p. 349-359

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抄録

目的 生活習慣病のリスク因子であるメタボリックシンドローム(MetS)の有病率は職業により異なることが報告されている。本研究は,同一の健康保険組合において,勤務形態が異なる従業員で生活習慣に違いがあるかを検討することを目的とした。

方法 スズキ健康保険組合の被保険者(17,855人)のうち,2022年度に特定健康診査(特定健診)を受診した者の中から,40–64歳であり,かつ既往歴や服薬歴のある者を除外した13,188人を分析対象とした。勤務形態を「本社」「代理店」「工場」「関連会社」の4群に分類した。特定健診にあわせて実施された質問票への回答状況について性別で記述統計を行った。また,各質問票項目を目的変数,勤務形態を説明変数としたロジスティック回帰分析を実施し,本社勤務を基準とした粗解析と年齢調整後のオッズ比(OR)と95%信頼区間(95%CI)を算出した。

結果 運動習慣に関し,男性では,30分以上の運動を週1日以下または週2日以上だが継続1年未満と回答した割合が代理店勤務で最も高く(80.1%,OR=1.97,95%CI:1.77–2.20),歩行が1日1時間未満の者は本社勤務で多く(69.1%),歩行速度が速くない(遅い)と回答した割合は工場勤務で最多(60.3%,OR=1.60,95%CI:1.45–1.77)であった。男性の食事・飲酒・喫煙について,代理店勤務は他の業態と比べ最も多くの生活習慣項目で有意に悪い項目が多かった。喫煙(43.4%,OR=2.55,95%CI:2.29–2.83),就寝2時間以内の夕食(48.7%,OR=1.73,95%CI:1.57–1.91),朝食欠食週3回以上(30.4%,OR=3.08,95%CI:2.70–3.50),過度な飲酒(14.0%,OR=1.95,95%CI:1.63–2.34)であった。男性の行動変容・保健指導の活用に関し,工場勤務では生活習慣改善意欲がない者(38.3%,OR=2.29,95%CI:2.05–2.57)や保健指導活用意思のない者(85.7%,OR=2.58,95%CI:2.27–2.92)が多かった。

結論 同一の健康保険組合に所属する従業員でも勤務形態により生活習慣や改善意欲に差がみられるため,保健指導などの際に生活習慣病リスクの背景要因として勤務形態を考慮する必要がある。

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