日本公衆衛生雑誌
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健康関心度尺度の短縮版作成
山田 卓也杉本 九実西沢 蓉子石川 ひろの福田 吉治
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ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 24-070

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抄録

目的 健康無関心層に対するアプローチの必要性が重要となっている。先行研究において,健康への関心の程度を評価する「健康関心度尺度」が開発されている。この尺度は,健康への意識,健康への意欲,健康への価値観の3つのサブスケールより構成される。本研究は,12項目からなる健康関心度尺度の汎用性を高めるため,その短縮版の作成を行った。

方法 800人を対象としたウェブ調査のデータを用いて,12項目の健康関心度尺度の質問項目の因子分析の結果より,各サブスケールから因子負荷量が大きい順に2項目ずつ選択し6項目版の尺度と,健康への価値観のサブスケールに属する2項目を除く4項目版の尺度を作成した。作成した短縮版の信頼性と,12項目版との相関や,ヘルスリテラシー(CCHL尺度)や生活習慣(食事,運動,飲酒,喫煙)との相関を比較することで妥当性を確認した。

結果 Cronbach’s αは6項目版0.72,4項目版0.80であった。12項目版と6項目版および4項目版の相関係数は0.94と0.88であった。ヘルスリテラシーとは12項目版:0.28,6項目版:0.27,4項目版:0.22であった。4つの生活習慣との相関係数も3つの尺度で同程度であった。

結論 12項目と同程度の信頼性と妥当性を持つ6項目版と4項目版の尺度を作成することができた。健康関心度を測定する場合,3つのサブスケールを含む6項目版が望ましいが,利便性の観点から健康への価値観を除く4項目版を使用することも可能である。

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