抄録
車内に不審者が出現し、一時的に他の車両への避難が求められる状況において、車内放送によって不審者から遠方の車両にいる乗客が迅速に避難を開始できれば、不審者の近くにいる乗客の避難経路を確保することができる。本研究では、「避難理由(発生内容)」と「避難場所・方向」の詳細度を操作した車内放送の内容を作成し、放送に対する乗客の行動を検討するWeb調査を実施した。調査の結果、「避難理由(発生内容)」が詳細なほど乗客は状況を理解するが、「避難理由(発生内容)」が詳細でなくても、「避難場所・方向」を電車の進行方向によって詳細に指示することにより、乗客は正しい方向に迅速に避難を開始できる可能性が示された。