Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
接触水素化反応による炭酸ガスからのジメチルエーテル合成技術(第2報)メタノール合成触媒とメタノール脱水触媒の複合触媒
平野 正樹今井 哲也安武 聡信黒田 健之助
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2004 年 47 巻 1 号 p. 11-18

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抄録

CO2とH2からのメタノール合成触媒CuO·ZnO·Al2O3·Ga2O3·MgOとメタノール脱水によるDME合成触媒として選定したγ-Al2O3またはZrO2·Al2O3を組み合わせた複合触媒を用いて,CO2とH2からのDME直接合成試験を実施し,組合せ条件のメタノール+DME収率およびDME選択率ならびに触媒の耐久性に与える影響を調べた。
複合触媒におけるメタノール合成触媒とメタノール脱水触媒の組合せ条件では,混合比率は50 : 50 wt% 程度が最適であること,CO2とH2からのDME直接合成反応においては,メタノール+DME収率およびDME選択率ともに反応温度が高くなるほど上昇するが,メタノール収率が平衡に達すると温度上昇とともにメタノール+DME収率は低下することが明らかとなった。メタノール脱水触媒の種類はγ-Al2O3よりもZrO2·Al2O3の方が高いDME合成活性を示すこと,反応器での複合触媒の構成に関しては,上層部にメタノール合成触媒を充填し,下層部にメタノール合成触媒とメタノール脱水触媒を混合して充填する方法が効果的であることが明らかとなった。さらに,このような組合せ条件を持つ複合触媒は耐久性においても他の条件の触媒よりすぐれていることが検証された。

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© 2004 公益社団法人石油学会
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