Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
漏えい磁束探傷法のきず信号に与える腐食生成物の影響
笠井 尚哉関根 和喜丸山 裕章
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2004 年 47 巻 1 号 p. 19-26

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抄録

石油タンク底板の保守検査に適用できる技術として漏えい磁束探傷法がある。石油タンク底板はSS400鋼板であり,湿潤環境下にさらされる時は腐食が生じる。石油タンク底板の環境下で生じる腐食生成物の代表的な成分として,酸化鉄(II, III)(Fe3O4)と酸化鉄(III)(Fe2O3)の2種類がある。酸化鉄(III)は非磁性のため,漏えい磁束探傷法のきず信号に影響を与えないが,酸化鉄(II, III)は強磁性のためきず信号に影響を与えることが考えられる。したがって,それらの割合を変化させ,溝状きずの中に充填した際の漏えい磁界を測定した。
次に,内部に強磁性体の腐食生成物が存在するきずに対する解析モデルを考え,行った実験に対して3次元線形有限要素法を用いて解析した。この実験結果と解析結果から,強磁性体の腐食生成物が漏えい磁束探傷法のきず信号に与える影響について検討した。

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© 2004 公益社団法人石油学会
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