抄録
調製条件の異なるNi-シリカゾルを噴霧熱分解して種々のNi/SiO2触媒を作製し,その細孔特性やNi分散状態を減圧乾燥法と比較しながら評価した。ゾル-ゲル法でNi-O-Si結合を形成しながら合成したNiドープシリカ重合体を噴霧熱分解すると,ミクロ孔のみを有する高分散触媒が生成した。Ni-O-Si結合が形成されていない純シリカ重合体とNiイオンの混合溶液を用いても,同様な物性の触媒が得られた。しかし,前者の場合,原料溶液の粘度は細孔構造にほとんど影響を及ぼさないのに対し,後者では粘度とともに細孔容積が増加した。一方,同じ原料溶液を減圧乾燥して得られた触媒にはメソ孔が生成し,溶液粘度の細孔特性への影響も噴霧熱分解法と異なっていた。また,Niは比較的大きな粒子を形成していることも確認された。細孔構造の相違は,乾燥過程における前駆体粒子の成長の有無に起因すると推察される。