2005 年 48 巻 4 号 p. 216-222
ディーゼル車の排出ガスに含まれるカーボン微粒子を低減する手段として触媒担持ウォールフロー型ハニカムがあり,これにたい積したカーボン微粒子を効率良く酸化除去するために,Pt担持酸化物の検討を行った。その結果,カーボン微粒子の燃焼開始温度は同等だったが,燃焼開始後については,Pt担持Ce複合酸化物(Pt/Ce0.7Zr0.3O2およびPt/Ce0.9Pr0.1O2)を用いた場合にPt担持CeO2(Pt/CeO2)に比べ,より低温でカーボン微粒子が燃焼した。1073 K大気エージング後では,特にPt/Ce0.9Pr0.1O2において最も低温でカーボン微粒子が燃焼した。Pt/Ce0.9Pr0.1O2については,低温において担体からのO2の放出量が最も多く,またPt表面において吸着するCOの気相O2による酸化反応が進みやすい状態にあることが明らかになり,これらの特性がカーボン微粒子の燃焼特性を高めたと推定した。