Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
γ-アルミナ上に担持した酸化鉄のメタン酸化における触媒活性
田中 住典中川 和憲金崎 英二加藤 雅裕村井 啓一郎森賀 俊広中林 一朗杉山 茂木戸口 善行三輪 恵
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2005 年 48 巻 4 号 p. 223-228

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抄録

γ-アルミナ,シリカ-アルミナおよびシリカ3種類の担体に担持したゲータイトのメタン酸化触媒活性を調べた。これら酸化鉄担持触媒の比表面積は,いずれも担持物なしのゲータイト固体の値に比べて増大した。酸化鉄担持触媒 Fe/γ-Al2O3を用いると,メタン酸化反応は623 Kから開始し,923 Kでメタン転化率は100% になり,低温で最も高活性であった。この触媒のX線回折パターン中にはゲータイトが観測された。触媒活性は,鉄含有率上昇とともに上昇し,鉄含有率6モル% で一定になった。823 Kでのメタン酸化反応使用後に測定したこの触媒のX線回折パターン中には,ゲータイトが相転移して生じたヘマタイトが観測された。ヘマタイトはメタン酸化反応での触媒活性種として知られている。Fe/γ-Al2O3触媒中のナトリウム含有率の上昇とともに触媒活性も上昇したが,5モル% 以上で比表面積の減少に起因する活性の減少を観測した。

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© 2005 公益社団法人石油学会
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