抄録
トレーサー試験を用いたフラクチャー型システムのキャラクタリゼーションにおいて,坑井配置がどのような影響を及ぼすかを考える。そのために,1000個のフラクチャー媒体確率実現を作成し,フラクチャーの向きに対して平行,対角,直交関係にある三種類の坑井配置についてトレーサー試験の数値実験を行った。実験結果に基づいて,フラクチャー代表値(フラクチャーの合計長さと幾何平均長さ)とトレーサーの流出濃度曲線の形状パラメーターとの相関を,ノンパラメトリック回帰手法によって求めた。平行ならびに直交坑井配置においては,この相関によって一定の精度をもったフラクチャー代表値評価が可能である。一方,対角坑井配置においては,フラクチャー代表値によって各フラクチャー媒体確率実現を区別することができず,結果として評価の精度は低くなる。フラクチャー型システムのキャラクタリゼーションを目的としたトレーサー試験においては,対角坑井配置を採るべきではない。