Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
ガスリフト配置の最適化に用いる遺伝子アルゴリズムとアントコロニー手法
Mohammad M. ZerafatShahab AyatollahiAli A. Roosta
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2009 年 52 巻 3 号 p. 102-107

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抄録

連続ガスリフトは最も普通に使われている人工採油法の一つである。高圧ガスを連続注入することによって,チュービング内の油カラムを軽くし,油増産に寄与する。ガス量の制限あるいはコンプレッサー能力の制限によって,ネットワーク内にある全坑井からすべて最適レートで油を生産することはできない。そこで,最適なガス量配分が必要になる。ガス量配分最適化は,機械的な制限を受ける変数であるガス注入レートを調整することによって,最大化を図る非線形問題である。さまざまな最適化手法が今まで適用されてきた。そのうち,大きなネットワークに対しては,遺伝子アルゴリズムが最も効率がよいとされている。本論文では,遺伝子アルゴリズムと比較するために,いろいろな手法を試した。その中でも,石油開発業界では新しい手法であるACO(Ant Colony Optimization)手法を,水攻水・産出水配分ネットワークの最適化手法として既に能力が認められている遺伝子アルゴリズムに替わるものとして,適用してみた。文献によると,遺伝子アルゴリズムもACO手法もガスリフトの配分最適化問題では,小さなネットワークで有効とされている。本論文では,ガスリフトへの遺伝子アルゴリズムとACO手法による最適化は,大規模ネットワークでも適用性があることが示された。結果は,文献にある類似の最適化計算結果と比較して,よい一致をみた。

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© 2009 公益社団法人石油学会
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