Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
ドデカンの水蒸気改質反応におけるRu/CeO2/γ-Al2O3触媒の安定性
村本 知哉成相 健太郎大原 宏明鎌田 博之
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2009 年 52 巻 3 号 p. 108-113

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抄録

ドデカン水蒸気改質反応におけるRu/CeO2/γ-Al2O3触媒の安定性を,触媒層に沿って複数のガスサンプリングポートを備えた固定床流通型の管型反応器を用いて評価した。寿命試験前後の触媒は,BET比表面積,炭素析出量測定を用いて分析した。触媒の長期安定性を調べた結果,Ru/CeO2/γ-Al2O3触媒は5000時間にわたり安定した性能を示し,ドデカンをほぼ完全に水素リッチのガスに改質できることを確認した。管型反応器による寿命評価と分析の結果,触媒の性能低下は炭素析出量の多い触媒層上流側から進行することが分かった。炭素析出により,触媒の活性サイト数が経時的に減少すると仮定して,触媒の劣化を速度論的に解析した。この結果より,ドデカンの水蒸気改質反応は,触媒表面に吸着した炭化水素の活性化を経て進行することが推察された。反応温度が低いと吸着した炭化水素の反応性が低いため,触媒表面での炭素化が進み易い。反応温度が高くなると,吸着した炭化水素の水蒸気による改質反応が炭素化に比べて優先的に進行するものと考えられる。

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© 2009 公益社団法人石油学会
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