抄録
超臨界水を用いてビチューメンや減圧残油などの重質油を改質する方法が提案されている。重質油を超臨界水に高分散させて熱分解することにより,効率良く改質できることが期待されている。そのため,この方法における最適な操作条件は,重質油と超臨界水の親和性が最高となる条件であると考えられる。本研究では,そのような条件を誘電率とハンセン溶解度パラメーターを用いて決定した。重質油に対する良溶媒または貧溶媒である汎用溶剤の各値から,超臨界水が重質油と高い相溶性を示すために必要な条件は,誘電率2.2から10.4 かつ,δh(ハンセン溶解度パラメーターの水素結合の項)10 MPa0.5未満であることを明らかにした。両条件を満たす温度圧力の領域は,410℃以上25.6 MPa以上に分布することがわかった。本研究で決定した超臨界水の最適条件は,最近報告された実験結果によって支持されており妥当と考えられた。