Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
CO存在下でのナフタレン水素化反応におけるPd/TiO2–Al2O3触媒の担体効果
伊野 庸介江塚 幸司大嶋 正明黒川 秀樹三浦 弘
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2010 年 53 巻 4 号 p. 239-245

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抄録

COを含む低品位水素を利用した有機ハイドライド法の実現に向けて,触媒開発を試みた。水素源として低品位水素が使用可能であれば,水素の精製と貯蔵を同時に行うことができる。本研究では,CO混合水素を用いたナフタレン水素化反応における触媒担体の影響について調査を行った。触媒には担持Pd触媒を用い,担体にはゾル-ゲル法により調製したTiO2,Al2O3,およびTiO2含有率の異なるTiO2–Al2O3を使用した。純水素を用いたナフタレン水素化反応においてはTiO2含有率50~80 wt%のPd/TiO2–Al2O3が高活性を示した。CO混合水素を用いた場合ではTiO2含有率80 wt%のPd/TiO2–Al2O3が高活性を示し,純水素下よりもCO存在下で,担体の複合化による影響が顕著に現れた。COプローブFTIRによるIRスペクトルの波形分離,および昇温脱離測定結果から,配位不飽和度の高いエッジやコーナー,欠陥サイトに吸着したCOの面積割合がTiO2含有率の増加に伴い増加し,これらのサイトに吸着したCOは低温で脱離しやすいことが分かった。このことから,これらの配位不飽和度の高いサイトがCO存在下ナフタレン水素化反応で活性に寄与していると考察した。

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© 2010 公益社団法人石油学会
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