Journal of the Japan Petroleum Institute
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ナフサ/酢酸二相系中での強酸触媒存在下における過酸化水素によるナフサの酸化脱硫
矢津 一正松村 明光佐藤 信也
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2010 年 53 巻 4 号 p. 251-255

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抄録

ナフサ/酢酸二相系中での硫酸存在下におけるH2O2によるナフサの酸化脱硫について検討した。用いたすべての有機硫黄化合物は,酢酸中において硫酸存在下,酢酸とH2O2から効果的に生成する過酢酸により酸化された。酸化反応性の順序は,スルフィド類,ジスルフィド類>ベンゾチオフェン類>チオフェン類であった。有機二相系中において,オクタン中の有機硫黄化合物は,硫酸存在下,酢酸–H2O2により同様に酸化された。酸化反応は酢酸相中で進行し,酸化生成物のほとんどがそこに留まることにより,オクタン相からの硫黄化合物の連続的な除去が達成された。ナフサ中の硫黄分はこの酸化的処理により効果的に削減され,シリカゲル吸着処理後の硫黄分は0.5 mass ppm以下まで低減された。さらに,水素化脱硫はナフサの酸化脱硫の前処理として効果的であり,硫黄分は0.1 mass ppm以下まで低減された。

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© 2010 公益社団法人石油学会
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