抄録
選択酸化触媒として優れた活性を示す結晶性Mo–V酸化物(斜方晶Mo–V酸化物および三方晶Mo–V酸化物)の合成,構造解析,および生成機構の解明に成功した。両結晶性酸化物は5角形(M)M5O21ユニットを有する。この(M)M5O21ユニットは水熱反応合成前の反応溶液中で既に生成しており,この(M)M5O21ユニットが水熱反応条件下で集合し,結晶性Mo–V酸化物に組み上がるビルディングブロック式生成機構によりこれら結晶性酸化物が合成されることを見出した。この生成機構をもとに単結晶X線構造解析に必要な大きさを有する斜方晶Mo–V–Sb酸化物結晶の成長に成功し,斜方晶Mo–V系酸化物の詳しい構造解析に世界で初めて成功した。また,斜方晶Mo–V酸化物のミクロ細孔が酸化還元処理により可逆かつ連続的に大きさを変えるという興味深い性質を持つことも見出した。