抄録
メソポーラスシリカ(SBA-15)担体をスルホン化した固体酸触媒存在下にて稲わらの水熱糖化を行った。稲わらの糖化における反応時間,反応温度,稲わらに対する固体酸触媒の重量比の影響を検討した。反応時間と反応温度の増加に伴い単糖収率は始め増加し,その後減少したが,副生成物の収率は増加した。稲わらに対する固体酸触媒の重量比を25 %まで増加すると,単糖収率は増加するが,その比がさらに増加しても単糖収率はほぼ一定であった。稲わら: 蒸留水 :固体酸触媒=3 : 30 : 0.5(g/g/g)の重量比にて180 ℃,1時間,稲わらの糖化を行った時,単糖収率は38 %になった。糖化前後の稲わらの組成,および稲わら中のセルロースの結晶度をそれぞれ決定した。組成分析に基づき,180 ℃以下において,ヘミセルロース由来の大部分のキシランとグルカンは分解されるが,セルロース由来のグルカンは触媒加水分解にてほとんど分解しないことが示唆された。これに対して,200 ℃以上においては,ヘミセルロース由来のキシランとグルカンはほぼ完全に分解し,セルロース由来の一部のグルカンも分解した。同時に,全ての反応にて稲わら中の少量の灰分とリグニンが除去された。