抄録
重質油脱硫プロセスとしての超臨界水処理の可能性を確認するため,超臨界水がオイルサンドビチューメンの脱硫挙動に及ぼす影響を調べた。回分式反応器を用いて430~450 ℃,23~30 MPaの超臨界水,高圧窒素,超臨界トルエン中でビチューメンを処理し,反応媒体が各生成物の収率と生成油の硫黄含有率の関係に与える影響を比較した。その結果,超臨界水と高圧窒素は同様の傾向を示し,液体生成物に含まれる含硫黄化合物分布に違いはなかった。しかし,反応媒体はコークへの硫黄分配率に影響を及ぼし,超臨界水はトルエンより高く窒素より低い分配率を示した。トルエンは生成ラジカルを捕捉する効果と分散効果を及ぼしたが,超臨界水は高圧窒素と同様に脱硫反応に対して不活性であり分散効果のみを示すことが分かった。超臨界水雰囲気は,窒素中でコークに分配される硫黄分の一部を液成分として保持するため,重質油の脱硫には適さないと考えられた。