Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
超臨界水ガス化におけるフェノールとベンゼンの分解経路
Tau Len-Kelly Yong松村 幸彦
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2013 年 56 巻 5 号 p. 331-343

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抄録
フェノールとベンゼンの超臨界水中における分解に及ぼす温度(370~450 °C)と滞留時間(0.5~100 s)の影響を25 MPaで検討した。これらの分解速度は比較的低いが,滞留時間20 sではチャーとガスの生成が進行し,温度と滞留時間とともにこれらの収率は増加した。フェノールならびにベンゼンからのチャー生成はガス生成と競合していた。ベンゼンの分解速度はフェノールよりも遅く,共鳴により安定するフェノキシラジカルの生成が分解に重要な役割を果たしていると考えられる。フェノールの超臨界水ガス化では,熱分解による直接ガス生成が進行していると考えられるが,ベンゼンの超臨界水ガス化については,ガス化は二つの異なる経路で進行していると考えられる。直接的なガス生成は反応初期の数秒間で進行し,芳香族の開環がより長い滞留時間で進行,ギ酸や酢酸を経由してガス化が進行していると思われる。興味深いことには,ベンゼンからのフェノール生成はアレニウス挙動を示したが,フェノールからのベンゼン生成は高温ほど遅く,非アレニウス挙動を示した。これらに基づいて,超臨界水中におけるフェノールとベンゼンの分解経路を提案した。
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© 2013 公益社団法人石油学会
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