2013 年 56 巻 6 号 p. 401-405
実験室規模の急速熱分解反応で生成するエアロゾル状態のバイオオイル(タール)を高効率に回収するため,3種類のオイルミストトラップを比較検討した。オイルミストトラップとして,冷却方式,溶媒方式,電気集塵方式を用いた。急速熱分解反応は,ジャトロファケーキおよびスギを300~500 μmに整粒したものをバイオマス原料として,流動層型反応器において500 ℃で行った。電気集塵器の印加電圧を9 kVとすることで,ほぼ全量のバイオオイルを回収できることが観察された。バイオオイルの液収率は電気集塵方式>溶媒方式>冷却方式の順となった。溶媒トラップ方式も比較的高い回収率を得られるが,溶媒からの分離が必要となり,電気集塵方式が最も効率的にバイオオイルを回収できることが見出された。