2018 年 61 巻 2 号 p. 113-120
バイオエネルギー生産を目指したバイオマスマイクロ波処理の最近の動向について解説する。最近の原著論文の統計的解析に続いて,バイオマスマイクロ波処理手法の分類を説明する。マイクロ波は,前処理,ガス化,熱分解,エステル交換,抽出,液化,乾燥などの様々な処理で重要な役割を果たしており,処理エネルギーの低減,反応時間の高速化,生産量の改善の観点でマイクロ波は大いに期待されている。本論文では第2世代バイオマス(リグノセルロース系バイオマス)および第3世代バイオマス(藻類,海藻)のマイクロ波処理を中心に取り上げる。また,マイクロ波処理の大型化の問題や,マイクロ波処理のエネルギー消費,コスト,および効率の議論についても,具体的な開発事例を挙げて説明する。バイオマス混合物の誘電特性を知ることは,効果的なマイクロ波処理容器を設計する上では極めて重要である。マイクロ波処理の工業化は未だ道半ばではあるが,再生可能エネルギー生産に対する将来の処理方法としてマイクロ波は今後も期待される手法であろう。