2018 年 61 巻 2 号 p. 51-58
新規炭素–酸化物複合体担持コバルト触媒を炭素材としてポリエチレングリコール(PEG)を用いて調製し,一酸化炭素の水素化を,この触媒の評価のために0.5 MPaの低圧下,溶媒存在下の条件で行った。一酸化炭素の転化率は16Co63C21TiO2=16Co63C21Al2O3 < 16Co63C21SiO2 < 16Co63C21ZrO2(16Co: 16 wt% Co; 63C: PEG中の炭素 63 wt%; 21TiO2, Al2O3, SiO2あるいはZrO2 : 21 wt% TiO2, Al2O3, SiO2あるいはZrO2)の順に増加した。コバルト触媒で通常使われない高温低圧下で生成物はメタンであったが,16Co63C21ZrO2触媒は失活せず,340 ℃で31 %の転化率を示した。16Co63C21ZrO2はメソ細孔からなり,物質の拡散に有利であったと考えられる。また,コバルト金属種が反応後も安定に保たれていることがXRDにより確かめられた。新規炭素–酸化物複合体担持鉄触媒を同様の方法で調製し,溶媒存在下同様の条件で一酸化炭素の水素化を検討した。一酸化炭素の転化率は16Fe63C21SiO2=16Co63C21TiO2 < 16Fe63C21Al2O3 < 16Fe63C21ZrO2(500 ℃で焼成) < 16Fe63C21ZrO2(700 ℃で焼成)の順に増加した。主生成物は高温低圧下でメタンであったが,700 ℃で焼成した16Fe63C21ZrO2はC2~C6炭化水素も生成した。ZrO2担持触媒の表面積と細孔容積が焼成温度の上昇に伴い増加した一方で,鉄粒子が反応後42 nmから7.2 nmへ減少していることが高活性と関係していると考えられる。