2018 年 61 巻 2 号 p. 98-105
マイクロ波照射下での化学反応系においてのみ観測される「マイクロ波特殊効果」の起源として,マイクロ波照射下で誘導される固体材料界面で生じる二つの現象を提案する。著者らは,第1の現象としてマイクロ波照射下での固体と接触面間の接触点で観察される発熱現象に着目しており,これらを「非平衡局所加熱」と呼んでいる。マイクロ波照射下でのin-situラマン分光測定によって,DMSO中に分散したコバルト金属粒子に非平衡局所加熱が生じることを実証した。また,ゼオライト粒子のコアに炭素を配置することによって非平衡局所加熱を生じ,ゼオライトの細孔内でのアルコール脱水反応の促進が可能であることを示した。第2の現象は,マイクロ波照射下での固体界面において生じる「電子移動の加速効果」であり,硫化カドミウム誘導体の光還元反応やヘマタイト電極の表面での水の酸化反応において実証した。