Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
酢酸発酵によるリグノセルロースからの先進エタノール生産
坂 志朗 Harifara RABEMANOLONTSOA南 英治河本 晴雄
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2019 年 62 巻 5 号 p. 199-204

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抄録

酢酸発酵によるリグノセルロースからの先進エタノール生産プロセスを開発した。2段階加圧熱水によりリグノセルロースをC6糖およびC5糖,これら糖類の過分解物,リグニン由来物質などへと分解し,嫌気性条件下で酢酸発酵する。発酵には混合微生物を用い,回分または流加培養によりNaOH(Ca(OH)2も可)でpHを6.5~7.0に制御しながら発酵する。得られた酢酸ナトリウムはバイポーラ電気透析により酢酸に変換し,最大200 g/Lまで濃縮してルイス酸担持触媒(Ru–Sn/TiO2)により水素化し,バイオエタノールを得る。アルコール発酵法では,乾物1トンのスギより200~300 Lのバイオエタノールが生産されるのに対し,本プロセスでは2倍のエタノールが得られた。また,アルコール発酵法に比べてエネルギー回収率は高く,かつCO2排出原単位は低く,環境負荷低減のためのCO2削減に本プロセスが有効であることが明らかとなった。

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© 2019 公益社団法人石油学会
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