2020 年 63 巻 2 号 p. 70-78
固体酸触媒を用いて,クロチルアルコール(2-ブテン-1-オール)の脱水による1,3-ブタジエン製造を検討した。市販のシリカアルミナにより,クロチルアルコール転化率とブタジエン選択率がともに95 %に達したものの,急激な触媒活性低下が観測された。活性低下した触媒は150~200 ℃という低温処理で再生できることから,触媒劣化の原因はコーク生成というより反応中に生成した水の吸着によると思われる。活性低下した触媒の分析から,Al–O–Alの加水分解でのA–OH形成により,触媒表面の親水性が高まり,水吸着が促進され,結果としてクロチルアルコールの吸着が阻害されたと考察した。触媒のキャラクタリゼーションから,この反応にはシラノール基およびアルミナ領域が少なく,Si/Al比の低いシリカアルミナが好ましいことが分かった。