2020 年 63 巻 5 号 p. 289-296
固体酸触媒であるモンモリロナイトを用いたときのn-ヘプタンによるベンゼンの直接アルキル化における反応機構を調査した。プロトン交換モンモリロナイトやアルミニウム交換モンモリロナイトが本反応に活性を示すことが分かった。また,プロトン交換モンモリロナイトの触媒活性は,加熱や超音波照射などの前処理によって増加し,反応初期の生成物の選択性も変化した。生成物選択性の詳細な経時変化の測定によって,層間がより狭い触媒の場合,表面で二分子反応が優先的に起こり,高い選択率で目的の炭素鎖7のアルキル化生成物が得られることが明らかになった。一方,前処理を行っていない層間が広いプロトン交換モンモリロナイトでは,層間におけるn-ヘプタンの単分子クラッキングにより,t-ブチルカチオンが生じ,t-ブチルベンゼンが生成した。H-ZSM-5を触媒として使用した場合もn-ヘプタンの単分子クラッキングが起きるが,主生成物はイソプロピルベンゼンとなった。