2020 年 63 巻 5 号 p. 297-307
近年,動植物性油脂から得られる長鎖直鎖パラフィンを原料としたジェット燃料製造が高い関心を集めている。炭素数16~20の直鎖パラフィンから炭素数9~15のイソパラフィンであるジェット燃料を得るには,異性化と適度な分解反応が不可欠である。一般に水素化異性化および分解反応にはゼオライト担持Pt等の二元機能触媒が有効である。しかし,その触媒性状が活性に及ぼす影響は解明されていない。そこで,ゼオライト担持Pt触媒を用い,水素化異性化および分解反応による直鎖パラフィンからの炭素数が3~5少ないイソパラフィンの合成を実施した。n-デカンを原料とし,ゼオライト構造,酸点量,白金担持量の影響を検討した。0.5 wt% Pt担持MFI(Si/Al比200)が最も高い目的イソパラフィン収率を示した。さらなる改良のため,n-デカンに対し最適化した触媒をn-ドデカン原料に展開した。MgO担持により過分解反応が抑制され,目的イソパラフィン収率が向上することを見出した。