Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
ターゲット反応を誘起する錯体化学的スマートデザイン
松本 崇弘
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2022 年 65 巻 4 号 p. 134-139

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抄録

錯体化学は,長い歴史の中で,経験則 · 物理化学 · 量子化学に基づく金属錯体のデザイン合理性「錯体化学的スマートデザイン」を確立してきた。これまでに報告されてきた数多くの金属錯体は,論理的に説明可能な設計原理に基づいて,その機能や性質の発現機構を理解することができる。本論文では,ターゲット反応を誘起するデザイン合理性により達成したいくつかの代表的な研究,特に酸素 · 水素 · メタンの変換反応について解説する。酸素を酸化剤とする芳香族環の水酸化 · スチレンのエポキシ化 · C–H結合の酸化は,二核銅酸素錯体を合理的にデザインすることで誘起させることができる。水素の酸化と酸素の還元は,二核ニッケル · 鉄錯体のバタフライ構造によって促され,水素燃料電池の電極触媒への展開も可能とした。酸素を用いるメタンの変換は,有機ルテニウム錯体に光エネルギーをインプットすることで発現する高い酸化力によって達成している。

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